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仮想通貨に投資する上で必要な知識を全て語る

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ビットコインで有名な仮想通貨は投機的な目的で用いられることが多かった。

しかしながらビットコインバブルが崩壊した2017年以降、仮想通貨は機関投資家の市場参入が続き、有用性の高い資産クラスとしての認識を高めつつある。

今ではポートフォリオの5%から10%を仮想通貨に投資するべきだと言われているほどだ。

今回は仮想通貨投資に関する知識を書き溜めていく。

仮想通貨とは

仮想通貨の定義は様々なが、ひとつの解釈として電子的なやり取りを完結させることができる価値のあるデータということができる。

日本の法律では仮想通貨は暗号資産と呼ばれ、次のような特性を持つと定義付けられている。

(1)不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる
(2)電子的に記録され、移転できる
(3)法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない

ここでポイントとなるのは、仮想通貨が国や中央銀行などの管理に依存しないことだと言える。

仮想通貨を支えるテクノロジー

ビットコインなどの多くの仮想通貨はブロックチェーン上で発行される。

そのシステムがどのようになっているのか、できるだけ完結に説明する。

分散型システム

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ブロックチェーンを理解する上でまずは分散型システムの概念を理解する必要がある。

分散型システムは多数のコンピュータ(ノード)から成るP2P(Peer to Peer)ネットワークを基礎としている。

対極的に中央集権型システムも存在するが、これは単なるサーバーであり、既存のITシステムの構造そのものだと言える。

分散型システムは中央集権型システムに対してハッキングやシステムダウンのリスクに強く、ホストが運用コストを支払わなくて良いので安価なプラットフォームを構築できると言うメリットがある。

ブロックチェーン

ブロックチェーンは分散型システムの上で構築されるプラットフォームだ。

その名の通りに情報を格納するブロックがチェーン状に連なった構造をしており、不可逆的でデータ改ざんができないようになっている。

パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンが存在するが、一般的に知られている仮想通貨は前者を基盤としている。

ブロックチェーンの用途は様々だが、仮想通貨を発行できることやDApps(分散型アプリ)と呼ばれるアプリケーションをホストするプラットフォームとして機能する。

分散型台帳

ブロックチェーンは分散型台帳を管理することができる。

分散型台帳は仮想通貨の送金履歴を記録し、どのアドレスにいくらの仮想通貨が紐づいているかを把握するためのものだ。

これらの記録はブロックチェーン全体で共有され、バリデーターやマイナーと呼ばれるノードがインセンティブと引き換えに監視する役割をになっている。

仮想通貨の発行・管理

仮想通貨の発行や管理はシステムが行う。

特定の団体や人の関与をできるだけ排除するようになっている場合が多い。

ただし、各仮想通貨の利用促進を目的とした非営利団体の財団が存在し、開発資金やマーケティング費用などを捻出している。

仮想通貨の役割

実は仮想通貨とはブロックチェーンの副産物、または、ブロックチェーンを上手く活用するためのツールに過ぎない。

仮想通貨ばかりに注目が集まっているが、あくまでもブロックチェーンが主である。

具体的にはブロックチェーンは次のような役割を担っている。

ブロックチェーン開発の財源

各ブロックチェーンプロジェクトは何かしらの開発目的を持っており、ICO(イニシャルコインオファリング)やIEO(イニシャルエクスチェンジオファリング)と呼ばれるプロセスを通じて仮想通貨を売り出し、大衆から資金調達を行うことができる。

株で言うIPO(イニシャルパブリックオファリング)の構造に似ているが、プロジェクトの所有権を売り出すわけではない。

ブロックチェーン運用のインセンティブ

分散型ネットワーク上でブロックチェーンを稼働するには、マイナーなどのノードが提供する電力やハードウェアなどのリソースを間借りする必要がある。

その対価としてインセンティブが支払われるようになっており、それには仮想通貨が用いられる。

優れた送金手段

元々、ブロックチェーンや仮想通貨は安価な送金システムを構築する手段としての側面が大きい。

特に国際送金などは仮想通貨を用いれば、コストや時間を大幅に圧縮できると考えられている。

DAppsの決済手段

前述したがブロックチェーンはDAppsプラットフォームとしても活用されている。

AppストアやGoogle Playなどをイメージしてもらえるとわかりやすい。

課金する必要があるアプリなどは仮想通貨を用いてシームレスな決済が可能だ。

新規通貨発行と発行上限

仮想通貨の新規発行は全て機械的に行われる。

マイニング報酬を通じて新規発行通貨がマイナーに配布され、マイナーがそれを市場に売り払うことで仮想通貨が流通する。

また、多くの仮想通貨には発行上限が設けられており、それ以上の通貨は発行されない仕組みになっている。

例えば、ビットコインの発行上限数は2,100万通貨となっている。

キャピタルゲインとインカムゲイン

本来、仮想通貨投資は価格変動によるキャピタルゲインを狙うことが中心となるが、マイニングの汎用化やDeFi(分散型金融)関連サービスの登場で個人でもインカムゲインを得ることが可能となっている。

最近登場したDeFi関連サービスには仮想通貨レンディングや預金サービスなどが存在する。

価格変動の要因

ビットコインが登場して10年以上経過しているが、仮想通貨市場には謎が多い。

正直、なぜ仮想通貨が価値を持っているかも納得の行く説明は今の所ない(通貨というものは全てそうなのかもしれないが…)。

そのため変動要因の根拠も薄い部分はあるが、これまでの仮想通貨市場の動きを見ると以下のようなことが言えるだろう。

半減期の到来

発行上限が設定されている仮想通貨には新規発行通貨数が半分になる半減期が設けられている。

例えば、ビットコインであれば、約4年に一回半減期が到来する。

この半減期が近づいてくると、仮想通貨価格はじわじわと上昇する傾向がある。

長期的に見れば、供給量が低下するので仮想通貨価格は上昇する可能性が高い。

ビットコイン価格の変動

ビットコインは仮想通貨市場で基軸通貨のような役割を担っている。

多くの仮想通貨がビットコイン価格に同調する傾向がある。

株式市場や米ドルの動向

仮想通貨市場が株式市場や外国為替市場と直接的なつながりがあることは確認されていない。

しかしながら主要な仮想通貨は株式市場や米ドルとマイナスの相関性を持っていると言われている。

特にビットコインはデジタルゴールドと呼ばれており、有事の際にリスクヘッジを目的に買われることが多々観測されている。

ハッキングやバグの発生

仮想通貨取引所のハッキングやブロックチェーンのバグが発生した際に、仮想通貨価格が急落することが過去に観測されている。

ブロックチェーンや仮想通貨は確立されたテクノロジーではないため、このようなイベントは投資心理にマイナスに働き、売りを誘発する傾向がある。

ハードフォークや開発活動の進展

ハードフォークによるシステムのアップグレードや開発活動進展のニュースはポジティブな要因だと捉えられる。

前述したように仮想通貨はプロジェクトの所有権ではないため、直接的に連動しているわけではないが、仮想通貨の将来的な需要増を見越して価格が上昇することがある。

インフレや戦争

インフレや戦争が生じている国の通貨では、仮想通貨がプレミア価格をつけることが多々ある。

仮想通貨がリスクヘッジに有効な資産クラスであるとの認識が高まってきている裏付けだとも言える。

仮想通貨の分類

仮想通貨は全部で2000種類ほどあると言われている。

その中で投資と言う切り口でどのような仮想通貨が存在するか紹介する。

ビットコインとアルトコイン 

基軸通貨であるビットコインに対し、その他の仮想通貨をアルトコインと呼ぶ。

ビットコインとアルトコインが比較対象に上がるのは、その時価総額が同じ程度の規模であるからだ。

この時価総額の割合をドミナンスト言うが、仮想通貨市場のドミナンスがビットコインに傾いているか、アルトコインに傾いているかがひとつの指標となる。

アルトコインの中には、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュなどが存在する。

取引所トークン

取引所トークンとは仮想通貨取引所が独自に発行する仮想通貨のことだ。

例えば、世界最大の取引所であるバイナンスはバイナンスコインと呼ばれる取引所トークンを発行している。

取引所トークンには様々なインセンティブが付随しており、取引手数料の割引や利益分配、IEOの参加権利などが与えられることがある。

特定の取引所を贔屓している場合、非常にお得な仮想通貨だと言えるだろう。

ステーブルコイン

ステーブルコインは米ドルや日本円などの法定通貨を裏付けにする安定性を重視した仮想通貨だ。

通貨としてボラティリティがかける仮想通貨の欠点を補うために登場した。

基本的に法定通貨と等価となるような設計がされているため、キャピタルゲインには期待できないが、DeFiサービスなどでインカムゲインを生むことができる。

通常の銀行預金などよりも高い利息を稼ぐことができるが、信用リスクも存在する。

テザーやUSDコインなどが該当する。

最後に

仮想通貨投資はリスキーな投資だが、その分リターンも大きい。

ポートフォリオの大部分の資金を投入すべきではないものの、金融業界でもその有効性が認められつつある。

特にビットコインはデジタルゴールドと呼ばれるように、金に近い特性を持っているため、リスクヘッジに活用することを検討しても良いだろう。